メタボより深刻な「ロコモティブシンドローム」に高齢者の方は要注意!
メタボをいう言葉は今や誰でも知っていますが「ロコモ」という言葉を耳にしたことがありますか?ロコモとはロコモティブシンドローム(運動器症候群)のことであり、運動器の障害によって要支援・要介護状態になる前段階の状態を意味します。本日は、高齢者の方は特に気をつけたい「ロコモ」について説明します。
ロコモは運動器の危険信号
運動器とは、身体を動かすことに関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称のことです。ロコモの状態になると、現在は日常生活にほとんど問題がなくても、数年後に介護が必要になったり、寝たきりになってしまう危険性があります。
運動器の事をあまり重要と考えない人も多いようですが、「年だから」といった理由で歩くのを避けていたりすると、筋肉や間接の機能が低下して、寝たきりの生活になってしまう恐れがあります。
特に高齢者の方は、メタボ対策と同様にロコモ対策で普段から運動器を動かして使うようを心掛けることが大切です。
50代からは要注意!
ロコモの危険性のある人は、現在日本に4700万人いると推計されています。その原因となる疾患は下記の通りです。
- 筋肉が弱ってくる(サルコペニア)
- 膝の関節の軟骨がすり減る(変形性膝関節症)
- 椎間板が傷んでくる(変形性腰椎症)
- 骨がぼろぼろになる(骨粗しょう症)
これらを放置しておくと、何年か後には要支援・要介護状態になる危険性が高まってしまいます。痛みなどの症状が出ていないために、自分ではロコモの状態であることに気付かずに生活しているケースも多いようです。
普通に生活していても、50歳を超えたらロコモに注意すべきです。知らず知らずのうちに、上記の症状が進行して運動器の機能が低下している可能性があります。
自分はロコモ?すぐできる簡単なロコモチェック
自分はロコモティブシンドローム?と気になる方は、下記のチェック表を確認してみてください。1つでも当てはまる場合は、ロコモである可能性は高いので、お医者さんに相談する事をお勧めします。
- 家の中でつまずく、すべることがある
- 階段を上がるのに手すりが必要
- 15分以上続けて歩くことが困難
- 歩くのが遅くて横断歩道を青信号で渡り切れない
- バランスが取れず片足立ちで靴下がはけない
- 2キロ程度の買い物をして持ち帰るのが困難
- 掃除機や布団の上げ下げなど重い仕事が困難
ロコモを予防するためには手軽な運動を継続的に
ロコモを予防するためには「筋力が落ちるのを防ぐこと」が大切です。
- ウォーキング
- 水泳
- マラソン
など、継続的な運動を普段の生活に取り入れるのが良いでしょう。しかしながら、無理をすると膝や股関節などを痛めてしまうので、特に50歳を超える高齢者の方はいきなりハードなスポーツをせず、可能であればメディカルチェックを受けながら手軽な運動から始めてみて、習慣にするのが良いでしょう。
もっとも手軽にできるのは「ウォーキング」かと思います。最近では、市民イベントでロコモの啓発活動が行われていることもあるので、足を運んで仲間と同じ目標を持って取り組むのも良いかもしれません。