薬の豆知識「スイッチOTC薬」とは

ジェネリック医薬品に続き「スイッチOTC薬」についてもご説明します。こちらは、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。

お医者さんの薬が一般の薬になった「スイッチOTC薬」

私たちの健康を支えてくれる医薬品には、

• 病院で医師が処方する「医療用医薬品」
• 薬局やドラッグストアで購入できる「一般用医薬品」

の２種類があります。

スイッチOTC薬とは通常は医師が処方する「医療用医薬品」として使用が認められている成分の中から、長年の使用実績があり、比較的副作用が少ない成分を「一般用医薬品」に転用した医薬品のことです。

「OTC」とは

Over The Counter（オーバー・ザ・カウンター）

の頭文字の事で、もともと、薬局では薬をカウンター越しに販売されていたことからこの名前が付きました。

一般の薬よりも効果が期待でき、種類も豊富

スイッチOTC薬は、「医療用医薬品」に使用されている成分が含有されているため、「一般用医薬品」よりも高い効き目が期待できます。

OTC薬の種類も

• かぜ薬
• 胃腸薬
• 水虫薬
• 筋肉・間接痛薬

などなど、さまざまな薬がそろっています。

配合される成分の種類も増え続け、なかでもCMなどでおなじみの、

• ガスター10の成分「ファモチジン（H2ブロッカー）」
• 風邪薬にも配合されている解熱鎮痛剤の成分「イブプロフェン」
• 外用剤として筋肉痛・関節痛薬などに使われる「インドメタシン」

などはその代表例です。

その他にも、尿検査用の試験紙や禁煙補助剤などもスイッチされたことから、病気の予防、生活の質の向上をおこなうセルフメディケーションの一環としても、ますます重要性が高まっています。

スイッチOTC薬の例を下記にまとめます。

効能・効果	成分	代表的な製品（製薬メーカー）
胃腸薬	ファモチジン（Ｈ2ブロッカー）	ガスター10（第一三共ヘルスケア）
解熱鎮痛剤	イブプロフェン	イブ（エスエス製薬） ナロンエース（大正製薬）
	ロキソプロフェンナトリウム	ロキソニンS（第一三共ヘルスケア）
鼻炎用点鼻薬	ベクロメタゾンプロピオン酸エステル（ステロイド）	コンタック鼻炎スプレー（グラクソ・スミスクライン）
膣カンジダ再発治療薬	オキシコナゾール硝酸塩	オキナゾールL100（田辺三菱製薬） フェミニーナ膣カンジダ錠（小林製薬）
水虫薬	ラノコナゾール	ウィンダム（第一三共ヘルスケア）
外用消炎鎮痛剤	インドメタシン	バンテリンコーワ（興和）
禁煙補助剤	ニコチン	ニコレットガム（ジョンソン・エンド・ジョンソン） ニコレットパッチ（ジョンソン・エンド・ジョンソン）
発毛・育毛剤	ミノキシジル	リアップ（大正製薬）

効き目は高いが、購入・使用の際は要注意

スイッチOTC薬には、効き目が強い成分が含まれている一方で、一般薬よりは副作用も強く、使用法を誤ると身体に別の問題が発生する可能性もあります。上手に使用するためには、薬に関する正しい知識を身につける必要があります。

ここ最近で認可されたスイッチOTC薬は、特にリスクが高いものとして薬剤師の説明が義務付けられている「第1類医薬品」に分類されているものが多くあります。

こちらのページに薬の分類についてまとめていますので、薬の分類についてよく分からない人は、参考にしてみてください。

スイッチOTC薬を購入する際には、薬剤師の説明を受け、用法・用量・服用期間などをきちんと理解した上で使用しましょう。