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除染植物「ネピアグラス」効果は従来植物の4倍

放射性セシウムを吸収してくれる植物が存在するのはご存知でしょうか?除染植物と言われ、福島県などで実証実験が進められています。このたび、実験の結果で除染植物「ネピアグラス」が従来まで最も高いとされていた「アマランサス」よりも約4倍の吸収効果がある事が判明しました。

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本研究は、弘前大学が福島県浪江町で行ったものです。実験成果を受け、今後、隣町の大熊町などと一緒に大規模な植物除染に着手する方向で協議に入っています。

 

ネピアグラスはどんな植物?

ネピアグラスは熱帯アフリカ原産のイネ科の多年草です。ネピアグラスは熱帯植物で福島では穂が実らず越冬できません。しかしながら、逆に吸収したセシウムを花粉などの形で拡散しない事が、除染にとっては利点になるそうです。

弘前大学の姜准教授は、

除染に一定の効果が望め、荒れた農地の再生に有効だ。ネピアグラスの苗づくりなどで地域雇用にも寄与できる 。

と話しています。

5~10年植栽を行えば、地力を維持したままで相当の除染ができると見込んでいます。

 

また、本地域で復興事業に取り組んでいるコンサルティング大手「アクセンチュア」は、今回の成果を基に、ネピアグラスによる除染とバイオマス発電に取り組む方向で協議に入りました。刈り取ったネピアグラスや除染で伐採した木材から放射性物質を除去し、バイオマスエタノールに加工し、バイオマス発電燃料にする事業です。

 

3月11日の悲劇からもう数年経ちましたが、福嶋では未だに除染のために様々な対策がとられています。今回の除染植物の発見は、非常に期待される施策のようです。効果が現れるまではしばらく時間がかかりそうですが、未来の除染効果に期待です。